W抔開催でブラジルのホテル異常な高騰ぶり

リオデジャネイロ AFP通信)

2014年サッカー・ワールドカップ(W杯)開催中、ブラジル政府が現地ホテルの価格高騰について「極端な釣り上げは制限する」とけん制したにもかかわらず、決勝戦が行われるリオデジャネイロのホテル価格は、ぼったくりにも近い勢いで値上がりしています。

試合日に現地に宿泊したいと考えているファンは、このままだと少なくとも通常の2倍料金を請求されることも覚悟せねばならないのでしょうか?

 

コパカバーナ(Copacabana)の海岸地域が最高で、平均比229%まで跳ね上がったと伝えられた。

©Celso Pupo/shutterstock.com

ブラジルテレビ最大手レーデ・グローボ(Rede Globo)系のポータルサイトG1が配信したニュースによると、コパカバーナビーチサイド地区は最大で通常時の平均価格比229%もの値上げに達しているとのことです。データは旅行サイト・トリップアドバイザー(Trip adviser)から調査されたものです。

試合会場となる12都市でのホテル料金を比較してみたところ、6月12日から7月13日間で試合のある日の平均料金は、人気観光地でもあるコパカバーナ(Copacabana)の場合、一泊あたり1543.99レアル(650ドル)で、もう一般人には破産必至という感じがしてしまいます。

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ブラジル国内で最も相場が高いであろうリオ・デ・ジャネイロRio de Janeiro)においては一泊当たりの平均価格が1,077ドルに達し、通常の平均相場と比較しても107%の増加とリストに示されています。これは、同期間中のニューヨークのタイムズスクエアに滞在するほうが安いくらいです。

ちなみにリオでは決勝戦を含む7試合の開催が予定されています。

G1サイトは、「いくら経済効果とはいえ、これでは観光客が搾取され悪用されているといっても過言ではなく、街の今後の発展と名誉にとって良くないことだ」と、リオデジャネイロ宿泊産業協会(ABIH-RJ)のアルフレッド•ロペス(Alfredo Lopes)会長の言葉を引用しています。

ロペス会長は、「各ホテルは年末年始やカーニバル期間など、従来ハイシーズンに使用している割増料金をW抔にも適用し、それを自サイトに表示するように」と忠告しました。

今年の1月時点では、国家後援の消費者局とブラジルのホテル産業協会との間では、宿泊料金は年始やカーニバル時のピーク期おける関税金額を超えるべきではないという内容の協定が交わされています。実際にクイアバのホテルで起きた騒動ですが、1泊あたり1,000ドルにも達する異常な値上げはあってはならないことで、それを防ぐために一定の基準を持ち透明性を保つことが目的でした。

さらに、トリップアドバイザーの調査を見ていくと、他の都市でもベロオリゾンテ(Belo Horizonte)とフォルタレザ(Fortaleza)の平均価格との比は100%を上回っており、ブラジルの北東部に位置する湾岸都市サルヴァドール(Salvador)に至っては、212%という数値になっています。

ブラジル当局の見立てでは、W抔期間中には約60万人の観光客が海外から押し寄せるだけでなく、それに伴い国内の移動でも約300万人もの人が行き来するだろうとのことです。

この10年間、ブラジルは観光収入において168%以上もの上昇がみられるにも関わらず、実際には外国人観光者は年間600万人程です。それでも、観光収入において世界1位の旅行先であるフランスの8,000万に匹敵しているのです。つまりそれだけ…ということがわかりますね。

 

 

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